[No.768-1]きっと届いてる
No.768-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「そう言えば・・・さぁ・・・」
今まで、聞くべきか聞かざるべきか迷っていた。
「・・・あのこと?」
「よく分かるな!?」
僕の神妙な雰囲気を感じ取ったらしい。
「いずれ聞かれると思ってた」
1ヶ月前、2週間ほどLINEのやり取りが途絶えたことがあった。
「ずっと気になってて」
いつもなら、特に意味がないスタンプがしきりに飛んでくる。
僕も、さほど意味がないスタンプを返す。
それが僕らのコミュニケーションでもあった。
「そうよね」
それがある日を境に、2週間ほど途絶えた。
「嫌ならいいよ」
気になってこちらから送っても返信はない。
それどころか、既読にすらならない。
「そうじゃないんだけど・・・」
極端に言えば、ケンカの最中でもスタンプは来ていたくらいだ。
だから、今回は異常事態とも言える。
「ごめん・・・話したくないなら」
二人の間に原因となるものはなかったはずだ。
だからこそ・・・あることが脳裏をよぎって聞けずにいた。
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「(031)小説No.751~775」カテゴリの記事
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