[No.767-1]彼の背中
No.767-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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「懐かしいよね~」
反対側の歩道を小学生の集団が歩いている。
「今頃の時間なら、集団下校だろうな」
これから遠足という時間ではない。
「だよね・・・ほら!」
それぞれの集団の先には、高学年らしき人が居る。
飛びぬけて背が高いからすぐ分かる。
「俺らの時代も、こうだったよな」
私たちの学校は、毎週土曜日がそれだった。
運動場に集められ、一斉に下校する。
「そうそう!校長先生の長~い話があってさぁ・・・」
私達相手に、空気を読んではくれなかった。
「けど、何となくワクワクしただろ?」
「うん!それはあった」
ただ帰るだけなのに、妙な高揚感があった。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんの存在が大きかったよな」
先頭は、6年生が務めてくれた。
その背中に、憧れすら感じたほどだ。
「・・・で、そうこうしているうちに」
私もその立場になった。
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