[No.763-2]スポーツドリンク
No.763-2
「是非、聞きたいわね!」
あの不透明さも手伝って、薬の印象を持っていた。
それにスポーツドリンクという名も手伝って。
「スポーツする人が飲む、なんて言うか・・・」
「栄養剤?」
「そう!それ!」
普通の人は飲んではいけない・・・。
子供心にそう思い込んでしまった。
「確かに、子供には怪しく見えるよね」
だから、口にすることがなかった。
「けど、今ならそれが何であるか、理解できてるでしょ?」
友人の言うとおりだ。
でも、子供心に刻まれた“何か”は思いのほか深い。
「そうなんだよね・・・」
「そんなあなたがなぜ、口にしたの?」
水のペットボトルを取ったつもりだった。
「間違えてスポーツドリンクを取ってしまって・・・」
「それってさぁ・・・」
友人が何かを懸命に考えている。
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