[No.762-2]パイナツプル
No.762-2
「ちょっとした、スゴロクみたいなものよ」
ただ、これが始まると、大変だ。
なかなか家までたどり着けなくなる。
「途中で、断念したこともあったなぁ・・・」
友達が先に進みすぎて、見えなくなる。
そうなると、じゃんけんそのものがままならない。
「そりゃそうだろ・・・」
「でも・・・今でもこの遊び、やってるんだね!」
お金も道具も必要ないし、今すぐできる。
まさに小学生にはうってつけの遊びだ。
「僕は初めて知ったよ、この遊び」
「ちょっと、してみる?」
彼がうれしそうに首を縦に振った。
「じゃぁ・・・いくわよ!」
「のぞむところだ!」
彼がどんどん先に進んで行く。
「くっそぉ~!“ビギナーズフラッグ”ってやつね!」
それでも私もだんだんと追いついてきた。
「すぐに追い越してやるからね!」
ただ、あることを忘れていた。
そのせいで、あかね雲は星空に変わった。
(No.762完)
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