[No.761-2]いちじくの木
No.761-2
決して、アウトドア派とは思えない。
「そう?案外、“やんちゃ”なのよ、私」
その言葉に、ドキッとした。
「そ、そうなの!?」
別にやんちゃな人が嫌いなわけじゃない。
ただ、できれば・・・。
「突然のカミングアウトに驚いた?」
「ま、まぁ・・・な」
彼女と付き合いだして、日が浅い。
今なら引き返せる。
「失敗したと思ってるでしょ?」
「ま、まさかぁ・・・」
当たらなくも外れてはいない。
それにしても意外な方向へ展開し始めた。
「いちじくの匂いって・・・」
「狼男でいうところの“月”みたいなものね」
分かるような分からないような例えだ。
「・・・ようは変貌するってこと?」
「かもね」
でも、不思議と嫌な感じはしない。
逆に彼女との距離が縮まったような気がする。
(No.761完)
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