[No.759-2]運命の人
No.759-2
「札幌に行ったことは?」
二十歳どころか、一度も北海道の地に足を踏み入れたことがない。
「じゃあ、彼は?」
「彼も同じで、北海道を出たことがないって」
つまり、二人は二十歳の時に出会えるはずもない。
「・・・まぁ、あくまでも占いというか・・・何というか・・・」
友人のフォローがぎこちない。
彼を運命の人と思っていただけに、残念な結果だった。
「気にしない!気にしない!」
と言われても気にせずにはいられない。
彼とは結婚も考えているからだ。
「・・・違うのかな」
そうなると、運命の人は別にいることになる。
「・・・ん?」
友人が何か気付いたようだった。
「確か、私たち・・・二十歳の時に出会ったよね?」
「そうだけど・・・まさか、あなた!?」
言い終えた瞬間に私もあることに気付いた。
「ちょ、ちょっと待って・・・」
急いで、その占いを確認してみた。
「・・・男性用」
| 固定リンク | 0
「(031)小説No.751~775」カテゴリの記事
- [No.775-2]私は代表者(2017.07.26)
- [No.775-1]私は代表者(2017.07.25)
- [No.774-2]ひまわりとセミ(2017.07.23)
- [No.774-1]ひまわりとセミ(2017.07.22)
- [No.773-2]思い出の品(2017.07.20)
コメント