[No.756-2]出世の神様
No.756-2
「神頼みしなくても大丈夫だから・・・」
「万一・・・ってこともあるでしょ?」
努力はしてきたつもりだ。
だから、それなりに自信はある。
「まぁ、お守りだと思って・・・」
「・・・そりゃそうだけど」
逆に、これがプレッシャーにならなくもない。
「じゃ、入れるわよ」
彼女の合図で、千円を賽銭箱に投げ込んだ。
その後、しばし無言の時間が続いた。
「・・・これで・・・大丈夫ね」
「この神社は、出世の神様として有名なんだから!」
欲深いのではない。
純粋に僕のことを心配してくれている上での行動だ。
「“絶対に合格させてね”って、お願いしたよ」
「・・・あなたもそうでしょ?」
フレンドリーなお願いが気にならなくもないが。
「も、もちろん!」
本当は、“彼女が幸せになれますように”とお願いした。
(No.756完)
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