[No.750-1]叶えてあげる
No.750-1
登場人物
女性=牽引役 男性=相手
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「・・・これって、空き箱だろ?」
「そうよ」
彼に引越しするための荷造りを手伝ってもらっていた。
「捨てても・・・いいよね?」
もともとそのつもりで彼を呼んだ・・・はずだった。
「ちょっと待って!」
捨てられない性格ではない。
その証拠に、目の前には捨てる物が仕分けられている。
「いるの!?」
「・・・う、うん」
私の反応に彼が不思議な表情を浮かべる。
「・・・珍しい箱じゃないよな?」
単なる石鹸の外箱だ。
ブランドものでも、お土産の品でもない。
「集めてるの?」
確かにこれだけの数になると、そう思われても仕方がない。
「集めているわけじゃないんだけど・・・」
いまだに捨てることをためらってしまう。
「・・・他にも色んな箱があるよね?」
その通りだ。
他にも何の変哲もない空き箱がたくさん転がっている。
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