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[No.749-1]ボロボロの本

No.749-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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(ええっ・・・)

イマドキの女子高生が持ってるだけにそのギャップに驚いた

「参考書?」
「うん・・・多分、英単語の本だと思う」

昨日、電車の中でひとりの女子高生に目が行った。

「それがさぁ・・・ものすごく使い込まれてて」

一言で言えば、ボロボロの状態だ。
本なのに、磨り減った感が半端ない。

「久しぶりに見たよ、あんなの」

もちろん、使い方が荒いわけではない。
彼女の勉強ぶりを見れば分かる。

「・・・熱心に勉強してた?」
「そりゃ、食い入るようにな」

ボロボロの程度は、努力の裏返しでもあるだろう。

「参考書も幸せね」
「だろうな」

参考書にしてみれば、本望だろう。
ここまで、使い込まれたのだから。

「・・・ところで、なんでこんな話をしたの?」

(No.749-2へ続く)

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