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[No.746-2]100円スリッパ

No.746-2

私ならプライベートとは言え、履きたくない。
色もデザインも、はっきり言ってダサイ。

「・・・こんな趣味だった?」
「ううん、全然」

その通りだと思う。
彼女の“ピンク色好き”は随分前から知っていた。
実際、今もピンク色で目が痛い状況だ。

「それならどうして?」

スリッパなら他にもたくさんあった。
それこそピンク色の物も。

「ほら、先月、ハワイにいったじゃん」

気ままな一人旅だと聞いていた。

「その時にね、ホテルの部屋で履いてたんだ」

その時、100均で買ったスリッパを持っていったらしい。
旅行なら懸命な選択だ。

「捨てて帰ってくるつもりだったんだけど・・・」
「なんだか、捨てられなくて」

ホテルとは言え“ハワイの地”には変わりない。
それを踏みしめたスリッパに、愛着を感じたらしい。

「う~ん、理解しがたい話ね」

私も同じ経験をすることを、この時は知らなかった。
S746
(No.746完)
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