[No.745-1]スクランブルエッグ
No.745-1
登場人物女性=牽引役
男性=相手
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「今日はスクランブルエッグにしてみたんだ」
まずは先制攻撃が不可欠だ。
「今日もスクランブルエッグ?」
「いくら卵焼きが好きでも、毎日なら飽きるでしょ?」
ごく自然に答えた。
「おれは毎日でも大丈夫だよ」
「でも、たまには、ねっ!」
自分の考えを押し付けた。
「好きなんだよな~この味」
「そ、そうなんだぁ・・・」
ほめられているにも関わらず、焦ってしまう。
もちろん、やましいことがあるからだ。
「甘みが丁度いいからね」
卵焼きが大好きなことは知っている。
だから、朝食には欠かさず作っている。
「けど、ほら・・・たまには浮気するのも・・・ね?」
「浮気公認なの?」
話が良からぬ方向へと進み出した。
「ものの例えよ!」
「どんな例えなんだよ・・・まったく・・・」
私のおかしな言動で、微妙な空気が漂い始めた。
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