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[No.741-1]忘れかけていたもの

No.741-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「今日は稼ぎ時ね!」
「だろうな」

今日がクリスマス・イブだからであろう。
店の外でもチキンを販売している。

「頑張ってるね、女の子」

僕たちは、たまたま窓際のカウンター席に座った。
女の子の背中が目の前で見える位置だ。

「お尻をジロジロ見ないでよ?」
「も、もちろんだよ・・・」

とはいうものの、僕は女の子の真後ろに居る
だから、“見るな”と言われても視野の範囲に入ってしまう。

「大丈夫なのかな?・・・あんな格好で」

イブということもあって、サンタの格好をしている。
帽子だけでなく、全身赤い服装だ。
それが、とても暖かそうには見えない。

「そうね・・・生地が薄そうだもんね」

時々、両手を合わせて、息を吹きかけるしぐさを見せる。
恐らく、手がかじかんでいるせいだろう。

「手際はいいよね」

それにお客さんが居なくても、準備に余念がない。
チキンを入れる箱を作ったり、紙ナプキンを用意している。

(No.741-2へ続く)

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