[No.740-2]自分が居る
No.740-2
(実質、もうダメだな・・・)
今、夜の8時をまわったところだ。
さすがに、これから誘うには無理がある。
それに明日の早朝には、帰省先を後にしなければならない。
「結局、誘えなかったな・・・」
誘う勇気そのものが、なかったからじゃない。
“勘違いかもしれない”ことが怖かったからだ。
「けど・・・」
もし、“誘って”のサインだとしたら・・・。
このチャンスを逃す手はない。
完全に仲直りしているとは、言い難い状況だからだ。
「・・・そうだ!」
少し前にした、“あること”を思い出した。
これならストレートでも、照れ隠しができる。
『Why don't you go out for dinner with me this summer?』
知ってる限りの英文で、LINEした。
つたない文法だと、誤って伝わる危険性も承知の上だ。
「あっ!返事がきた」
『If it becomes almost time,would you invite him some
other time?』
「・・・」
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