[No.739-2]そういうこと
No.739-2
「ところで、どこに向かってるの?」
そう言えば、行き先を聞いていなかった。
半ば強引に、座らされたからだ。
「・・・どこ?」
彼女が怪訝そうな顔をする。
「言って・・・ないよね?」
もしかしたら、聞き逃していた可能性もある。
なんせ、不安でいっぱいだったからだ。
「確かに言ってないけど」
それでも、怪訝そうな顔のままだった。
「でも、走ってたら・・・あっ!?」
「・・・どうしたの?」
何かに気付き、急に笑顔へと変った。
「な、なんだよ・・・急に」
「あぁ・・・そういうことね」
“どう言うことだよ!”とツッコミたくなる。
「ごめん、ごめん・・・いつもと立場が違うもんね」
意味がよくわからない。
「もうすぐわかるわよ」
しばらくすると、見慣れた風景と共に海岸が近づいてきた。
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