[No.738-1]クリスマス・イブ
No.738-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「あっ・・・あぁー!」
見えていたはずなのに、止まれなかった。
そこで立ち止まるとは思ってもみなかったからだ。
「ご、ごめんなさい・・・」
「だ、大丈夫ですか?」
下りエスカレーターの出口でのひとコマだった。
僕が後ろから彼女に衝突した。
「・・・だ、大丈夫です」
多少、強めに衝突した程度で済んだ。
「すみません・・・」
こんな場所で、モタモタしていられない。
でも、一言、言ってやりたい。
原因を作ったのは、彼女だからだ。
「気をつけ・・・」
最後まで言い切るまえに、あることに気付いた。
(・・・なにしてるんだろう?)
彼女がその場で踏ん張っている。
まるでぬかるみに、はまったかのようだった。
「・・・あ・・・あぁー!!」
それに気付いた瞬間、反射的に彼女にひざまずいた。
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