[No.737-2]秋祭り
No.737-2
「確か・・・彼女、居たよね?」
けど、彼女とは一度だけしか祭りに行っていない。
「どうして?」
「当時な・・・」
好きな人が居た・・・彼女以外に。
「それって、今でいう“ゲス”ってやつ?」
「ち、ちがうけど・・・強く否定もできないな」
彼女から告白され、なんとなく付き合い始めた。
そんなある日、その祭りに足を運んだ。
「そしたら、好きな人が彼氏連れてて」
祭りでバッタリ会って、会釈までされた。
その瞬間、何かが崩れ始めた。
「・・・ごめん」
「別にいいよ、もう・・・年前の話だぞ」
ただ、あのシーンは今でも鮮明に覚えている。
「そんな僕を見ていた、“僕の彼女”も何か感じたんだろな」
それから数日も経たない内に、別れを告げられた。
「逆に肩の荷が降りたようでさぁ・・・」
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