[No.737-1]秋祭り
No.737-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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実家の周辺には、神社やお寺が多い。
比較的、古い町だからかもしれない。
「だから、祭りも多いんだよな」
極端に言えば、一年中、何らかの祭りをやっている。
「私の所も祭りがあるにはあるけど・・・」
「祭りと言うより、“フェスティバル”って感じね」
確かに、僕のところもそんな雰囲気が出始めている。
それでもまだ、良い意味で“古びた感”は残っている。
「中でも、秋祭りが一番好きなんだよな」
「夏じゃなくて?」
こう言うと必ず、そう聞き返される。
「夏は好きじゃない」
少し肌寒さを感じる秋の方が、なんだか落ち着く。
「へぇ~そんなタイプだったんだ?」
「どんなだよ!?」
ただ、その言葉には少し嘘が含まれている。
「ところで、ここに来るのはどれくらいぶり?」
「そうだな・・・卒業以来かな?」
一応、考えるふりをした。
けど、本当はピンポイントで分かっている。
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