[No.734-2]捨てたもんじゃない
No.734-2
「逃げ出した?」
「だって、私にはどれも選択できなくて」
見捨てることもできず、救うこともできない。
ならば・・・無かったことにしようと思った。
「みんなそうなんじゃない?」
確かにそう簡単には答えが出ない話だ。
野良猫の扱いについては。
「けど、私は・・・」
「エサ、あげたことあるんでしょ?」
友達は分かっていたようだった。
「だって・・・」
「それがあなたのいいところじゃない!」
ただ感情に流されていただけだ・・・美談ではない。
「今日こそ、帰りに寄ってみる?」
「・・・うん!」
彼らの姿は見えない。
「・・・まさか」
「でも、大丈夫みたいだよ」
明らかに、意思を持って置かれたあるモノがその答えだった。
(No.734完)
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