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[No.732-1]想いをのせて

No.732-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
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「・・・や、やだぁ!」

友人が何かを追っ払うような動作をし始めた。

「どうしたの?」
「何か虫が・・・ほら!」

確かに、蚊のような小さいな虫が数匹飛び交っている。

「・・・あれ?」

よく見ると、私にとっては見慣れたものだった。

「雪虫!?」
「なんでここに・・・」

北海道を離れて以来、ここでは一度も見た事がない。

「ゆきむし?」
「ほら・・・以前、話したことがあるじゃない?」

雪虫は冬の到来を知らせる、象徴的な存在だ。

「・・・これがそうなの!?」
「うん・・・でも、こんな所に居るなんて・・・」

北海道だけ・・・とは言わないが、雪国だけ居ると思っていた。

(No.732-2へ続く)

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