« ホタル通信 No.304 | トップページ | [No.730-2]隠したかったもの »

[No.730-1]隠したかったもの

No.730-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「お弁当どう?」

紅葉シーズンということもあり、郊外へ足をのばした。

「もちろん、美味しいよ」
「よかったぁ~」

厳しく判定するなら、可もなく不可もない。
いわゆる平均点の味だ。

「初めてにしては、上出来じゃない?」
「・・・何か引っ掛かるけど・・・まぁ、いいか」

あまり褒めすぎるのも良くない。
今の味に満足してしまうからだ。

「あまり無理するなよ?」
「・・・どうして?」

朝から慣れない料理に四苦八苦したのだろう。

「ほら、絆創膏・・・」

昨日の夜は、それがなかった。

「あっ!バレちゃった・・・」

本気で隠すなら、いくらでも手はあっただろう。
あえて“見せる”という戦略もあるにはあるが。

(No.730-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.304 | トップページ | [No.730-2]隠したかったもの »

(030)小説No.726~750」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.730-1]隠したかったもの:

« ホタル通信 No.304 | トップページ | [No.730-2]隠したかったもの »