[No.730-1]隠したかったもの
No.730-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「お弁当どう?」
紅葉シーズンということもあり、郊外へ足をのばした。
「もちろん、美味しいよ」
「よかったぁ~」
厳しく判定するなら、可もなく不可もない。
いわゆる平均点の味だ。
「初めてにしては、上出来じゃない?」
「・・・何か引っ掛かるけど・・・まぁ、いいか」
あまり褒めすぎるのも良くない。
今の味に満足してしまうからだ。
「あまり無理するなよ?」
「・・・どうして?」
朝から慣れない料理に四苦八苦したのだろう。
「ほら、絆創膏・・・」
昨日の夜は、それがなかった。
「あっ!バレちゃった・・・」
本気で隠すなら、いくらでも手はあっただろう。
あえて“見せる”という戦略もあるにはあるが。
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