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[No.729-2]勇気があればいつだって

No.729-2

「ごめん・・・」
「・・・」

ついには返事をしてくれなくなった。

「ほ、ほんとは・・・」

このままだと誤解されたままになってしまう。
正直に言うしかない。

「・・・ぷっ!」
「えっ!?」
「あはは!ジョークよ、ジョーク!」

さっきまでとはうって変った表情と態度だ。

「ちょっとからかってみたのよ」
「な、なんだよ、それ!?」

今度は僕が不機嫌になった。

「だって、ほら・・・」

彼女が渡したお土産を指差した。

「ほら、横に付箋が付いているでしょ?」
「これに私の名前が書いてある」

お土産を仕分ける時、名前を書いた付箋を貼った。
それを取り忘れていた。

「ありがとう・・・旅先でも私ことを考えてくれて」
「うん・・・」

誕生日やホワイトデーに頼る必要はない。
勇気があればいつだって。
S729
(No.729完)
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