[No.729-1]勇気があればいつだって
No.729-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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お土産には色々な意味がある。
形式的なものから、そうじゃないものまで。
「これ、有名なお菓子だよね?」
その方面に詳しいと助かる。
アレコレと説明する必要がないからだ。
何よりもその有り難味を十二分に分かってくれる。
「そ、そうなんだ!?」
「みんな買ってたからさぁ・・・」
一応、とぼけてみた。
さも買ってきたのは偶然だと言わんばかりに。
「最近はこれがお土産の定番なんだって!」
「へぇ~道理で・・・」
あくまでも知らなかったことにした。
「でも、もらっていいの?」
「も、もちろん!」
最初からそのつもりで買ってきた。
「ひとつ、余っちゃったから・・・顔見かけたので」
「・・・あっ」
つい、照れ隠しで余計なことまで口走ってしまった。
「ふ~ん・・・そうなんだ」
彼女の表情が曇る。
「いや、その・・・」
「別にいいわよ、私はそんなポジションでも」
怒ってはいないけど、明らかに不機嫌そうな態度だ。
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