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[No.724-2]不完全燃焼

No.724-2

「ここのは、かなり本格的だよ!」
「・・・みたいだね」

遊園地顔負けの“お化け屋敷”がそこにあった。

「どうする?」

自分たちの学校にも、お化け屋敷があった。
目の前の物ほどでもないが。

「・・・そのつもりよ」

当時、付き合っていた彼とそこに入った。
言わば公認の仲だったから、特に騒がれることもなかった。

「いいの?」

ただ、そこで事件が起きた。
彼が今で言う極度の“ビビリ”でだったことが発覚した。

「彼が“別の意味”で、抱きついてくるんだもん・・・」

もちろん、入ることを拒むことだってできただろう。
それをしなかった点は評価している。

「でも・・・ね、やっぱり・・・」
「そういうところ、あるよね?」

それがきっかけで、彼と別れることになった。

「もう一度聞くけど・・・いいの?」
「うん・・・もう、過ぎたことよ」

ふたりでお化け屋敷に入った。

「ギャァァーーーーー!!!!」

当時の不完全燃焼は、今、完全燃焼に変わった。
S724
(No.724完)
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