[No.723-2]邪魔者
No.723-2
「当時は、遊ぶことだけに夢中だったから・・・」
でも、所詮、ブームはブームだ。
冷めるのも早かった。
「1ヶ月もしないうちに、遊ぶ人が激減して」
いつも通りの光景に戻った。
「だから、作った人に感謝!なんて考えることもなかったね」
逆に、“邪魔者”扱いされて、倉庫の隅に追いやられた。
「その残酷さも子供ならではだね」
「私が卒業する前に・・・」
その“邪魔者”は倉庫から居なくなっていた。
いつ居なくなったかは知らなかった。
「・・・なんだが、寂しい話ね」
「そうね・・・こんな話をするつもりじゃなかったんだけど」
意外な展開に自分でも驚いている。
「ちなみに、どんな話をするつもりだったの?」
「・・・ごめん、忘れた・・・」
ただ、少なくともこんな話ではなかった。
「まぁ、いいじゃん」
「ごめん・・・」
「“忘れた”けど、思い出せて良かったじゃん!」
「・・・そ、そうね!」
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