[No.722-2]学校の怪談
No.722-2
「それがさぁ・・・そんなことは無かったようなんだよね」
「・・・じゃぁ、どこの幽霊?」
ご近所の幽霊が居ついたとでもいうのだろうか?
“出る”には相応しい場所だということで。
「あはは!その発想笑える!」
「それなら、どうして旧校舎から出るのよ?」
何の縁もない場所に、居つくことがあるのだろうか・・・。
「昼間に出るって噂だった」
「昼間!?」
今まで聞いたことがない。
「それに、目をつぶった時に見えるんだって!」
「・・・どんなふうに?」
分かるようで分からない。
「どうだろう?私は見たことがないし・・・」
「それに、あくまでも噂だったからね」
実際に見た人は居なかったらしい。
「でも、まことしやかに語り継がれてるよね、この手の話」
この手の話がなければないで寂しい。
「今でもいるのかな?」
「居るよ、心の中に・・・ね」
“ニヤリ”と笑う友人の顔は、まるで別人のようだった。
(No.722完)
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