[No.719-2]一生の戦い
No.719-2
お互いの力が均衡しているせいだろうか・・・。
雨が降るわけでもなく、晴れるわけでもない、曇り空が続いた。
「さすが、やるわね!」
「はぁ・・・」
驚くほどノリノリの彼女だ。
一体、何が彼女をそうさせているのだろう・・・。
「ちなみに、引き分けの場合は?」
「もちろん、再戦よ!」
一応、ルールは決められているようだが見てはいない。
いや・・・そもそも見ようとも思わない。
どうせ、負けたとしても、くだらない罰ゲームくらいだろうから。
「終業時間までだったよな?」
「そうよ・・・残り1時間くらいだね」
曇り空は相変わらずだ。
波風が立たないように、“このまま”終わって欲しい。
「負けたらどう・・・あっ!」
言い終わる前に、空が急激に暗くなってきた。
その直後、大粒の雨が地面を叩き始めた。
俗に言う、“ゲリラ豪雨”だ。
「やだぁ・・・」
「まぁ、勝負は勝負だからね」
とにかく、勝負はついた。
勝ったことより、正直終わって、ホッとした。
「ちなみに、負けたらどうなるの?」
「勝つまでやれって」
(No.719完)
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