[No.718-2]わずかな隙間
No.718-2
「わざわざ、あんな窮屈な場所を選ばなくてもいいのにね」
「あはは、それは言えてる!」
おそらく彼らにとって、安全な場所なのだろう。
「恋人同士?それとも夫婦かな?」
「友達同士・・・ってこともありえるわよ」
それにしても仲睦まじく座っている。
ことの真相は彼らに聞くしかないだろう。
「ほんと、憎めないやつらね」
「でしょ~!」
通勤途中に自転車の進路を妨害する・・・。
ベンチに座っていると、物欲しそうに寄ってくる・・・。
「案外、一番身近な動物なのかもね!」
それに、飼いならしたわけじゃないのに、妙に馴れ馴れしい。
「わかる、わかる!私はあんたの飼い主じゃない!ってね」
でも、寄って来なければ来ないで寂しいかもしれない。
「とにかく・・・いつまでも仲良くね!」
向かいのハトと・・・ついでに隣に聞こえるように叫んだ。
(No.718完)
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