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[No.717-2]行きと帰り

No.717-2

(ハァ~なんでこんなハメに・・・)

ため息のひとつやふたつ、出ないはずもない。

「とにかく・・・・急ごう!」

小走りに外に出た・・・その時だった。

「わぁ!?」

うろこ雲が夕日に照らされ、何とも幻想的な空が広がっていた。

「買ってきたよ」
「ありがとう!助かるわ~」

これでお目当ての料理にありつける。

「・・・何だか、すがすがしい顔してない!?」

もうすぐ料理を食べられるともなれば、そんな顔にもなるだろう。

「そうか?」
「そうよ!行きは、シブシブだったくせに」

どうやら、バレていたようだった。

「だって、もうすぐ食べられるだろ?」

ただ、自分で言っておきながら、何か引っ掛かる。

「いや・・・それもあるけど」

独り言のようになってしまった。

「あまりにも、空が綺麗でさぁ・・・」
S717
(No.717完)
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