[No.717-1]行きと帰り
No.717-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「あれぇ!?」
彼女から焦りにも似た声が聞こえてきた。
「どうした?」
「お醤油が切れてるの・・・」
これから彼女の手料理をご馳走になる。
「えぇ~!だって魚の煮付けだろ?」
醤油がなければ始まらない。
「う、うん・・・ごめん」
彼女らしいといえば彼女らしい。
でも、腹ペコの僕としては無視できない事態だ。
「どうする?」
「・・・悪いけど、買ってきてくれない?」
「僕が!?」
別に嫌じゃないけど、一応、“お呼ばれ”した身分だ。
多少、配慮も欲しい。
「だって、他の料理の準備もあるから・・・」
「ねっ!お願い!」
煮付け抜きでと言いたいが、それはメインディッシュだ。
「・・・分かったよ」
「ほんと!?ありがとう!」
ただ、近くにはスーパーどころか、コンビニもない。
そう考えると、気が滅入ってくる。
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「(029)小説No.701~725」カテゴリの記事
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