[No.715-2]変わらないもの
No.715-2
「時代は変る・・・変って当たり前だよ」
「・・・そうよね」
日々、緩やかに変化をしている。
気付かないレベルで。
「カセットテープを何本も持ち歩いてた頃が懐かしいね」
「あぁ・・・レーベルには曲名書いたよな」
今じゃ、音楽に“もれなく”付いてくる。
「そうそう!あれ書くのも楽しみのひとつだった」
今の若者に聞かれると笑われそうな話だ。
「でもさぁ、変らないところもあっただろ?」
「えっ!?なにが・・・」
彼が急に、問い掛けてきた。
「僕たちが付き合うようになった、きっかけ・・・覚えてる?」
「もちろんよ!」
彼が私に音楽を聞かせた。
ヘッドフォンの片方を私の耳にあてて・・・。
「あっ!昔からある常套手段だよね!」
「・・・だな」
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