[No.714-2]モンシロチョウ
No.714-2
「だから、なんでここまで来たのかな・・・って」
モンシロチョウにも変ったやつが居たのだろうか。
「そうね・・・」
「上でも目指していたのかしら?」
もし、そうであっても理由を知るすべはない。
そもそも、彼らに意思などあるはずもない。
「そうかな?」
「そうだろ!?」
そんな話は聞いたことがない。
「じゃ、迷い込んだだけなのかな?」
「そう考えるのが妥当だろ」
単に強い風にあおられただけかもしれない。
「まぁ、なににせよ、関係ない話だけどね」
ベランダで虫が死んでいた・・・ただ、それだけだ。
「・・・とは言え、同情してるように感じるんだけど?」
「えっ!?まぁ・・・そうかもな」
確かに“ゼロ”ではない。
だからこそ、こんな話をしたのだろう。
「あっ!ほら、あれ見て!」
モンシロチョウが空高く遠ざかって行く。
まるで何かを追いかけるように。
(No.714完)
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