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ホタル通信 No.299

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.312 重なるイメージ
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

あるべき建物が無くなっている・・・まさしく日常を切り取った話であり、テーマとしては何度か登場しています。

見ているようで見ていない・・・思い出せない時、苛立ちにも似た気持ちになります。思い出せないことに苛立ちを感じるのではなく、見ていなかったことに対してです。
単に建物が無くなっただけに過ぎないのでしょうが、そこには誰かの人生があったはずです。何度だかそれさえも、否定しているような気持ちになります。

実話度は低めですが、無くなったと勘違いしていた建物や新しく建てられた店は事実です。周りの環境も随分変っていたこともあり、店一軒分の不自然な空間を見た時、かつてここに店があったように反応してしまいました。
小説ではその場で、思い出せていますが、実際はかなり後になって思い出しています・・・というより、この近くに住む知人に聞いてようやく事実が判明しました。

そんなこんながありながら・・・でも、いまだに、見ているようで見ていません。それが建物であり、人であったり。
T299
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