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[No.712-1]一号店

No.712-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「さっきから、なにジロジロ見てるの?」
「あっ!・・・う、うん・・・別に・・・」

明らかに不自然な返事をしてしまった。
こうなると、もはや逃れられる術はない。

「初めてじゃないよね?」
「“この店”は初めてだけど、他の場所なら・・・」

全国にチェーン店を持っている、ハンバーグレストランだ。

「ほら、店ごとに個性的な作りになってるだろ?」

内装も外装も店舗ごとに個性がある。

「だから、どうなってるのかな・・・と」
「そうなの?・・・そんな風には見えなかったけど」

決して嘘じゃないけど、100%本当のことも言っていない。
それを・・・見抜かれている。

「う、うそじゃないよ!」
「私は“そう見えなかった”と言っただけだよ?」

彼女の術中にはまったようだ。

「元カノと来たことを思い出した・・・とか?」
「ち、ちがうよ!」

これについては100%本当のことだ。

(No.712-2へ続く)

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