[No.710-1]孤独なネコ
No.710-1
登場人物男性=牽引役
女性=相手
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「・・・どうした?」
急に立ち止まり、一点を見つめている。
「あれ見てん」
指差す方向に一匹のネコがいる。
「ネコ・・・だよね」
一応、確認する。
特に珍しくもない光景だし、どこにでもいる三毛猫だ。
「何を見てるんやろね」
そのネコは顔を上げ、どこか遠くを見ている。
近くに居る僕たちのことは、まるで眼中にないみたいだ。
「何をって・・・そりゃ・・・」
なぜだが言葉が続かない。
「・・・まぁ、何だな・・・何か居るんじゃない?」
野生ならではの警戒の現れかもしれない。
「せやったら、うちらの方がよっぽど警戒されるやん!」
「そ、そうだよね・・・」
ネコの視線の先をもう一度確認した。
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「(029)小説No.701~725」カテゴリの記事
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