« ホタル通信 No.293 | トップページ | [No.708-2]○○さん »

[No.708-1]○○さん

No.708-1

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
「えっ!?なになに・・・」

彼がクスクス笑い始めた。

「おかしなこと言ったっけ?」

自分ではごく普通の話をしていたつもりだ。

「ごめん、ごめん!」

謝りつつも、申し訳なさそうな雰囲気はない。

「寝癖とか・・・ないよね?」

慌てて、髪を確認する。
今朝、遅刻しそうになったからだ。

「もしそうだったら会った時に言うよ」
「とにかく・・・笑ったわけを教えてよ!」

幸いにも笑った顔に悪意は感じなかった。

「ほら、さっき本の話をしてただろ?」
「・・・してたよ」

小説好きの私は、ついペラペラとしゃべってしまう。
特に話題作が出ると。

「・・・迷惑?」
「だったら、少なくても笑ったりしないだろ?」

確かにそうだ。
迷惑なら怪訝な顔をすればいい。

(No.708-2へ続く)

| |

« ホタル通信 No.293 | トップページ | [No.708-2]○○さん »

(029)小説No.701~725」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: [No.708-1]○○さん:

« ホタル通信 No.293 | トップページ | [No.708-2]○○さん »