[No.703-2]3-1=3
No.703-2
「じゃぁ・・・始めますか!」
早速、手分けして探し始めた。
でも、夏ということもあり、草木が捜索の邪魔をする。
「・・・まさか!ってことないよね?」
それは保証できない。
子ネコが大人になれる確率は低いと聞いたことがある。
「その時はその時よ!」
覚悟を決めた・・・捜索にも熱がこもる。
でも、結局見つけることはできなかった。
「・・・大丈夫よ!どこかでふてぶてしく生きてるわよ!」
「うん・・・」
そう願いたいし、そう信じたい。
その時だった・・・。
一匹の子ネコが茂みから顔を覗かせた。
「こ、この子?」
「ううん、色が違う」
目の前の子ネコは、薄い茶色だった。
「けど、初めて見た、この子・・・」
「・・・おいで」
まだ警戒心が薄いせいだろうか・・・ヨチヨチを私に寄ってきた。
「新しい命が誕生してたんだね!」
彼らは人間が考える以上にたくましい。
あの子も、きっと・・・生き抜いている。
(No.703完)
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