[No.701-2]さすが雨男
No.701-2
「・・・悪いな」
「ん?雨のこと?」
自分のせいではないのは分かっている。
けど、誤らずにはいられない。
「雨男なんだから仕方ないでしょ?」
ここまで肯定的な人は始めてだった。
「そうだけど俺といると雨に祟られる可能性が高くなるぞ」
「別にいいよ」
まさか雨が好きってこともあるまい。
特に梅雨時期は、うっとうしい以外の何物でもない。
「ところで、ランチどうする?」
「しばらく止みそうもないぞ」
さすが雨男と言えば良いのか・・・。
「もちろん、食べるわよ」
仕方なく、傘を広げる。
「えっ?何だよ・・・自分の傘、使えよ」
「いいでしょ?忘れてきたんだから!」
後日、彼女は僕以上の“雨女”だと知った。
(No.701完)
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