[No.700-2]グリーティングカード~玲奈~
No.700-2
「これで・・・よし・・・」
達也の24回目の誕生日にグリーティングカードを送ることにした。
日時を指定し、自動的に送るように設定した。
「これは、ちょっと後に届くように・・・と」
もう一通はほんの少しだけ遅れて届くように設定した。
内容は相当悩んだ末にアレに決めた。
達也なら、きっとそうくると思って・・・。
「後は当日を待つだけね」
その当日までには約半年ある。
(・・・でも、本当は届かないで欲しいな)
出来ればカードじゃなくて、直接祝ってあげたい。
23回目の誕生日のように。
でも、半年後、私はもうこの世には居ない。
達也が私の名前を叫んでいる。
(そんなに大きな声出さなくても聞こえてるわよ・・・)
薄れて行く意識の中で、彼のことを想う。
「達也・・・それ、つまんないよ」
半年後、出会える時を信じて、私は永遠の眠りについた。
(No.700完)
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