[No.697-2]分かっていたけど
No.697-2
「それは心配ね」
「うん、だから・・・」
昨日の朝、立ち止まり、近づいてみた。
「そしたら、反応はしてくれたんだけど」
顔を上げ、キョロキョロし始めた。
ただ、すぐにまたうずくまってしまった。
「でも、眠いのか弱ってるのかは分からなかったわ」
とにかく、何らかの反応があってまずはホッとした。
見ようによっては、死んでいるようにも見えたからだ。
「今日、帰りに寄ってく?」
そうくるのも当然だろう。
友達も放っておけないタイプだからだ。
「本当はダメなんだろうけど・・・」
「・・・食べ物、与えるってことだよね?」
友達が小さくうなづく。
でも、これはこれで無責任な行為だと思っている。
「ありがとう・・・でも、とりあえず大丈夫みたい」
「・・・大丈夫?」
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