[No.694-1]立ち入り禁止
No.694-1
登場人物
男性=牽引役 女性=相手
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「なに見てるの?」
「懐かしくない?この立て看板」
偶然、通りかかった歩道の脇に、看板が立っていた。
「・・・これだよね?」
「そうだよ」
小学生の頃、この立て看板で何度となく盛り上がった。
「しつこく聞くけど、“立ち入り禁止”の看板だよね?」
「間違いないよ」
ベニヤ板に、赤いペンキでそう書かれている。
殴り書きの文字を見ても、間に合わせで作った感が半端ない。
「何が懐かしいの?」
「ほら、こんな展開にならなかった・・・」
この手の看板を見ると、必ず誰かがあることを言う。
「立ち入り禁止だったら、座ってなら入れるよね?って」
彼女の目が点になっている。
「ごめん、ごめん!ローカルな話をして」
「・・・じゃなくて私の所にも居たよ、そんな男子が」
聞けば、同じことを言っていたらしい。
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