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2016年6月

[No.700-1]グリーティングカード~玲奈~

No.700-1   [No.01-1]グリーティングカード

登場人物
女性=牽引役  男性=相手
-----------------------------
薄れて行く意識の中で、彼のことを想う。

「達也・・・それ、つまんないよ」

「誕生日おめでとうぉ!!」
「ちょ、ちょっと・・・恥ずかしいだろ・・・」

今日は彼の23回目の誕生日だ。
付き合い始めて、これで2回目の誕生日でもある。

「いいじゃん!事実なんだし」
「う、うん・・・仕方ないなぁ~」

人目を気にするところは彼らしい。
でも、言葉とは裏腹に表情は明るい。

「初デートはこの店だったよね・・・覚えてる?」
「もちろんだよ!店を選ぶのに苦労したからね」

始めて聞いた裏話だった。

「かなり探したんだよ、雑誌で」
「そしたら、雰囲気が良い店を見つけて」

確かに、カジュアルな中でも落ち着いた感は今も健在だ。

「それに、ワイン好きだろ?」
「知ってたの!?え~!いつからぁ?」
「いつからでも、いいだろ?」
「やだぁ!聞きたい!」

周りから見られていることを忘れるほど楽しい時間が過ぎて行った。

(No.700-2へ続く)

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ホタル通信 No.289

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.382 オーバー・ライト
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:女性

分かったような分からないような・・・何とも中途半端な小説ですね。それに、仕上がりも雑です。

今でもそうなんですが「あれ?空き地になる前、何だったっけ?」ということが少なくありません。それこそ毎日目にしていたはずなんでしょうが・・・。
こういった経験から「見ていることと記憶していることとは違う」と思っていました。
ですから、これ以外にも似たような小説をいくつか発表しています。「見ているようで見ていない」という経験は色々なところに影響するからです。

それを軸にして展開と結論は様々です。今回は「記憶が上書きされて、覚えていないように思ってしまう」が展開です。そして「女性は失恋上手」ということを結論として用意しました。
そして、小説のタイトルは内容の通り、オーバーライト、つまり“上書き”にしました。

最後になりますが、私にとって、“空き地”は色々と想像力を膨らませることができる、魅力的な場所です。
そこは過去と未来が共存できる不思議な場所なのかもしれませんね。
T289
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[No.699-2]暗号なの?

No.699-2

今度は応接室のテーブルの下の写真だ。

「・・・なに?」

意味不明だ。
それに、アングル的に気になることがある。

『寝てる?』

そのアングルで撮影するには、寝転ぶ必要があるからだ。
その答えはスタンプで返ってきた・・・“Yes”と。

『そうなんだ(汗)』

とりあえず当たり障りのない返事を返す。
それにしても適当なのか、何か意図があるのか・・・。

「・・・何だよ、次は!?」

床にスマホや筆記用具が散乱している写真が送られてきた。

『もしかして、荒れてる?』

彼女の性格は知っていた。
予想通り、“Yes”のスタンプが返ってきた。

それからも頻繁に写真は送られてきた。
もちろん、説明は一切ない。
今日も一枚の写真が送られてきた。

「だから何だよ、これ!?」
699
(No.699完)
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[No.699-1]暗号なの?

No.699-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
最近、LINEで送られてくる写真に説明が付かなくなった。
それでも、何とか会話は成立していた。

『気持ち良さそうに寝てるよね』

見たままを返した。
たまに飼っている犬の写真を送ってくる。

『歳のせいか、最近、良く寝てるんだ』

送ってきた意図は不明だが、会話は成立した。

(・・・ここどこだよ?)

見覚えがある、高級そうな椅子が写っていた。

「応接室の椅子・・・?」

ここに転勤してくる前の職場にあった椅子だ。

(何の意味があるのだろう?)

いつも以上に意図がつかめない。
こんな時は、いつもの手を使うしかない。

『応接室の椅子だよね?』

疑問形で返した。
すると彼女からは文字ではなく、写真で返事が来た。
返事と言うより、次の写真と言うべきだろうが・・・・。

(No.699-2へ続く)

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[No.698-2]謝るタイミング

No.698-2

「・・・彼女でもない?どういうこと?」
「そういうことだよ」

直接ではないけど、確かに話をするようになった。

「さっき、多分って言っただろ?」
「もしかして・・・」

順序が逆とでも言えばいいのだろうか?

「仲直りは・・・まだなんだ」

絶縁状態でも、数週間に一度くらいはLINEを入れていた。
もちろん、返事はなかったが・・・。
でも、いつの頃からか返事が徐々に返ってくるようになった。

「じゃぁ、謝ってないんだ?」
「お互いと言うか・・・少なくとも僕はね」

結局、仲直りするタイミングを失い、今に至った。

「おかしな話だろ?」

彼女も僕も特別、意地っ張りな性格ではない。

「別にいいじゃん!」
「無かったことにしたいと思ってるのよ、彼女」

ある意味、都合の良い話に聞こえなくもない。
ただ、謝るタイミングが難しいことは確かだ。
S698
(No.698完)
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[No.698-1]謝るタイミング

No.698-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「ねぇ、その後、彼女とはどうなったの?」

仲が良い女子社員から声を掛けられた。

「どう・・・って」
「ほら、ケンカ中だったわけじゃない?」

確かに半年前に大きなケンカがあった。

「仲直りできてる、多分・・・」
「多分?」

しばらくの間、ほぼ絶縁状態が続いていた。

「最近、少しづつ話をするようになったんだ」

とは言え、直接ではない。
メールやLINE越しに、文字やスタンプとして。

「でも良かったじゃん!」
「けど、謝るタイミングは難しいよね」
「・・・で、どっちから謝ったの?やっぱりあなた?」

正直、ケンカの真の原因は不明だった。
とにかく、僕の何かが気に触ったらしい。

「僕じゃないよ」
「それなら、彼女?」

いや、彼女でもない。

(No.698-2へ続く)

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ホタル通信 No.288

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.219 雲が赤い
実話度:☆☆☆☆☆(00%)
語り手:男性

実話度はほぼゼロです。“運転中に夕焼け空を見た”という事実以外、全て創作になります。

実際、余り目にしたことがない夕焼け空が広がっていました。特別な夕焼け空だからこそ、小説を書こうと思ったのかもしれません。
さて、全体の話の構成は分かりますか?やや遠回しに会話を進めているので、分かり難いかもしれません。

簡単に書けばこうです。
契約が取れずに落ち込む営業の女性。それを遠回しに励ましている男性。これをコミカルに進行させています。
また、夕焼けを加えて、ロマンティックな雰囲気も演出しています。
ですが、お互い恋愛感情を持っていない、単なる同僚の設定です。

前述した通り、ロマンティックな雰囲気をかもし出しながらも、進行はやはりコミカルタッチです。
ラスト付近は、そのロマンティックな夕焼け空が、コミカルタッチでスイーツに変わる様を描いています。
そしてラストの一行は、悲しい涙で終わらぬように、立ち直った彼女で締めくくりました。
もちろん、スイーツが美味しい店に二人で立ち寄ったのは言うまでもありませんよね。
T288
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[No.697-2]分かっていたけど

No.697-2

「それは心配ね」
「うん、だから・・・」

昨日の朝、立ち止まり、近づいてみた。

「そしたら、反応はしてくれたんだけど」

顔を上げ、キョロキョロし始めた。
ただ、すぐにまたうずくまってしまった。

「でも、眠いのか弱ってるのかは分からなかったわ」

とにかく、何らかの反応があってまずはホッとした。
見ようによっては、死んでいるようにも見えたからだ。

「今日、帰りに寄ってく?」

そうくるのも当然だろう。
友達も放っておけないタイプだからだ。

「本当はダメなんだろうけど・・・」
「・・・食べ物、与えるってことだよね?」

友達が小さくうなづく。
でも、これはこれで無責任な行為だと思っている。

「ありがとう・・・でも、とりあえず大丈夫みたい」
「・・・大丈夫?」

昨晩、無責任な行為だとは分かっていたけど・・・。
S697
(No.697完)
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[No.697-1]分かっていたけど

No.697-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
気になり始めたのは、5日ほど経過した時だった。

「私も時々、見掛けることがあるよ」
「確か・・・三毛猫だったよね?」

通学路の途中に、小さな公園がある。
その公園に三毛猫が住み着いていた。

「うん、私も時々しか見かけなかったんだけど」

朝、公園の中を通っている時に、たまに見掛ける程度だった。
でも、このところ毎日、見ている。

「嫌いじゃなかったよね?」
「そうなんだけど・・・ちょっと気になることがあって」

今までは、バッタリ目があう感じだ。
向こうは向こうでビックリしている。

「最近、ずっと草むらでうずくまっているんだ・・・」

猫の生態は知ってはいる。
小さい頃、飼っていたこともあるからだ。

「寝てるだけでしょ?」
「うん・・・そうだとは思うけど」

ただ、このところ毎朝 、同じ場所でうずくまっている。
弱って動けないようにも見えなくもない。
それに、以前よりもかなり痩せてもいる。

(No.697-2へ続く)

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[No.696-2]余裕な発言

No.696-2

「え~、どんなこと?聞きたい!」
「まぁ、焦らないで・・・」

ここまで話しておきながら、急にブレーキを掛けだした。

「その人、最近、彼氏と別れたらしいんだ」
「ごくありふれた話よね?」

その別れ方が、修羅場だったとでも言うのだろうか?
衝撃を受けるくらいだから・・・。

「そうなんだけど、次に聞いたセリフがさぁ・・・」
「衝撃的と言うか、余裕と言うか・・・」

「・・・余裕?」

一体、どんなセリフを言ったのだろうか?

「もったいぶらないで、続きを聞かせてよ!」
「もうひとりが“新しい彼を見つけなきゃね?”と言ったんだ」
「そしたら、その人・・・こう言ったの」

思わず、ゴクリとつばを飲み込んでしまった。

「・・・楽しむんだって」
「えっ!?」
「“もう少し、ひとりを楽しんでみようかな?”だってさ!」

(・・・・ひとりを楽しむ?)

すぐには意味が分からなかった。
でも、ジワジワと込み上げてくるものがあった。

「あぁ!なにその余裕な発言!」
S696
(No.696完)
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[No.696-1]余裕な発言

No.696-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「ごめん!遅れちゃって・・・」

電車に乗り遅れて、待ち合わせの時間にも遅れた。

「ねぇねぇ、どう思う?」
「えっ!どう思うって・・・」

会話が成立していない・・・よくあることだが。

「あっ!そうだった」
「話を聞いてなかったもんね」

どうやら、私を待っている間に何かあったようだ。

「OLらしき二人の会話なんだけどさぁ・・・」

見た目ではなく、会話の内容からOLと判断したらしい。

「好きだね・・・そういうの」
「だって、隣でしゃべってるんだもん!仕方ないでしょ?」
「で、何を話してたの?」

会社の上司や先輩社員の悪口を始めたらしい。

「まぁ、普通よね?」
「そのうち、恋愛話になったんだけど・・・」

これもごく普通だ。
私と目の前の友人も、いつもこんなパターンだ。

「それでね、ひとりの女子がこんなこと言い出したの」

友人曰く、その言葉が衝撃的だったらしい。

(No.696-2へ続く)

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ホタル通信 No.287

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.309 乗り遅れた飛行機
実話度:★★☆☆☆(40%)
語り手:女性

今でも時々そんな夢を見ることがあります。夢がリアル過ぎることもあって、現実で起きたことのように記憶しています。

実際、不安性なので、特に飛行機に乗る場合は、かなり早い時間に空港へ着くように行動しています。電車のように、「次の電車に乗ればいい」というわけには行きませんので、その不安が夢となって現れているように思えます。
前述した通り、かなり鮮明に覚えているというか、現実と夢の区別がつかず、目が覚めた時の「良かった~夢で」感が半端ないです。

さて、後半の中盤以降から実話度は下がってきます。夢自体の話は事実ですが、「一度だけ・・・」のくだりからは創作になります。
いつも遅れてしまう夢なので、一度くらいは乗り遅れない夢があってもいいかな?と思い、適当に話を進めてみました。適当と言うくらいですから、この時、なにかを狙っていたわけではありません。

ラストの「手を差し延べてくれる人が大勢いた」は、現実社会でも周りの人が、手を差し延べてくれるんじゃないかな?を暗に示しています。
でもこれだと、少し真面目な終わり方になってしまうのであえて、ブラックジョーク風なオチを用意しました。
T287
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[No.695-2]ショートカット

No.695-2

「・・・で、どうだったの?」
「意外に覚えてたわ、道や建物を」

夜にもかかわらず、迷うことなく歩けた。
それこそ、車が通れない狭い道までも。

「街灯もほとんどないから、結構真っ暗なのよね」
「それって、危なくない?」

都会ならそうかもしれないが、幸か不幸かそれはない。

「・・・じゃなくて、あなたが“危ない人”って思われない?」
「そっちぃ!?」

本当は昼間にゆっくり歩きたかった。
けど、翌日は朝早くに帰らなければならなかった。

「歩いただけでも懐かしかったわ」
「そうね・・・わかる」

辺りが真っ暗でも、体が何かを覚えている。
そんな気がした。

「それに、久しぶりにあることをしちゃったの」
「なになに!?」

畑の脇を抜ければ早く家に着ける、そんな場所があった。
小さい頃、冒険心をくすぐられ、よくショートカットした。

「でも、畑の持ち主に見つかって、よく怒られたなぁ・・・」

今回の小旅行を締めくくるには丁度良いイベントだった。
S695
(No.695完)
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[No.695-1]ショートカット

No.695-1

登場人物
女性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「数年ぶりの実家はどうだった?」

たまたま仕事で実家の近くまできた。
そのついでに、一泊することにした。

「相変わらず、静かだったわ」

実家がある場所は、いわゆる袋小路になっている。
そのせいもあり、車もほとんど通らない。

「ただ、少しづつ拓けてきたのかも・・・」

昔は地元密着の八百屋などがあった程度だ。
でも、今はコンビニだけでも数店できていた。

「一方で、閉じた店も多いわね」

八百屋もそのひとつだ。
そこには別の建物が建っていた。
逆に、幽霊屋敷さながらの状態になっていた建物もあった。
取り壊されず、そのまま放置されていた。

「そうなる前は何屋さんだったの?」
「確か、喫茶店だったと思う」

昔はそれなりに繁盛していた記憶がある。

「それもあって、ついでにアチコチ見て回ったの」
「ご近所を?」
「うん、それこそ何十年振りに・・・」

実家に帰ることはあっても、近所を散策することは一度もなかった。

(No.695-2へ続く)

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[No.694-2]立ち入り禁止

No.694-2

確かに今の小学生でも言いそうだ。

「男子なら一度くらいは言うんじゃない?」
「かもな」

“禁止”と書かれていると、それを破りたくなるのも心情だ。
特に小学生の頃は。

「だからと言って、本当に入ることはほとんど無いけどね」

散々、盛り上がった挙句、それで終わる。
子供なりに危険な雰囲気は感じ取っているからだ。

「まぁ、そんなものよね」
「男子って、口だけだもん」

なぜだか、不機嫌そうな口調になっている。

「誰もが通る道だよ」
「それでもいいけど、今はどうなの?」

意味がよく飲み込めない。

「・・・今は?」
「今も口だけ?」

何が言いたいのか真意がつかめない。

「もぉ!鈍感なんだから!」
S694
(No.694完)
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[No.694-1]立ち入り禁止

No.694-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
-----------------------------
「なに見てるの?」
「懐かしくない?この立て看板」

偶然、通りかかった歩道の脇に、看板が立っていた。

「・・・これだよね?」
「そうだよ」

小学生の頃、この立て看板で何度となく盛り上がった。

「しつこく聞くけど、“立ち入り禁止”の看板だよね?」
「間違いないよ」

ベニヤ板に、赤いペンキでそう書かれている。
殴り書きの文字を見ても、間に合わせで作った感が半端ない。

「何が懐かしいの?」
「ほら、こんな展開にならなかった・・・」

この手の看板を見ると、必ず誰かがあることを言う。

「立ち入り禁止だったら、座ってなら入れるよね?って」

彼女の目が点になっている。

「ごめん、ごめん!ローカルな話をして」
「・・・じゃなくて私の所にも居たよ、そんな男子が」

聞けば、同じことを言っていたらしい。

(No.694-2へ続く)

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ホタル通信 No.286

小説の舞台裏やエピソード、作者の想いを紹介します。

小説名:No.328 プラネタリウム
実話度:★☆☆☆☆(20%)
語り手:男性

実話度は低めです。ほぼ創作と言って良いほどの内容ですが、現在の作風にはないある特徴があります。

今も昔も“実話や実話からヒントをもらって書く”スタイルは変わっていませんし、これからも多分変わりません。
それゆえに実話度が高ければ、よりリアルさを増した小説になる一方で、一般受けしにくい内容にもなってしまいます。逆に実話度が低いと、作り物の要素が増えるため一般受けしそうな内容になる傾向にあります。

今回の小説の実話度は低めですが、内容には妙なリアリティを持たせています。実際にはこのような会話はしていませんが、“したらこうなるだろう”を比較的忠実に再現しています。つまり、作り物だからと言って何でもありしていないところが、現在にはない作風なんです。
今は、どちらかと言えば何でもありにすることが多く、リアルさの面では物足りません、自分で言うのも変ですが。

そんなこんなで、実話度は低めでも、自分の中では非常にリアリティ溢れる作品になっています。
この話を含めて、星に関する話をいくつか書いています。
もちろん、それは彼女から影響を受けたからです。
T286
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[No.693-2]変な習慣

No.693-2

「なんで足を伸ばさないの?」
「なんでだろうね・・・」

自分でもよく分からない。
ただ、広い場所が好きじゃないのは確かだ。

「昔から狭い場所が好きというか、端が好きなのかも」

電車でも端に座りたいタイプだ。
それもあってか、お風呂でも端で体育座りをしている。

「別に悪いわけじゃないけど・・・」
「お風呂くらい、リラックスしたら?」

けど、自分にとってのリラックスがこれだと思ってる。

「変な癖と言うか・・・習慣ね」
「そうね、小さい頃からだから習慣なのかも」

思い起こせば、子供の頃はお風呂が小さかった。
二人で入るには、お互いが体育座りをする必要があった。

「よく親と入ってたから、その名残なのかな?」
「それはあるかもね」

知らず知らずの内に、習慣化したみたいだ。

「でも、いいんじゃない?その習慣は」
「いずれ、あなたもそうなるんだから」

S693_2
(No.693完)
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