[No.691-2]車のゲーム
No.691-2
「お兄ちゃんによく誘われたよ」
「けど、一応、男子向きじゃない?このゲーム」
そう言われるとそうだ。
女の子が遊んでいたような記憶はない。
「小さい頃は車好きの女の子なんて居なかったでしょ?」
確かに身近にそんな子は居なかった。
「まぁ・・・居たとしても言わないだろうな」
「そうね」
車はどちらかと言えば、男子の領域だ。
とにかく、もうそのゲームを見かけることもなくなった。
「懐かしい話ね」
「そうだな」
そう言えば、なぜこんな話の展開になったのだろう。
他にもたくさん写真を見ていたのに・・・。
「なんでだろうね?」
「今、車を運転してるからじゃない?」
確かにそう考えるのが妥当だろう。
運転してるから、さっきまで見ていた写真を思い出した格好だ。
「ゲームと違って安全運転で行くぞ」
「そうね、それが一番!」
ハンドルを握る“彼女”の表情が一段と真剣になった。
(No.691完)
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