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[No.691-1]車のゲーム

No.691-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「知ってるよ、それ」
「お兄ちゃんも好きだったから」

さっきまで子供の頃の写真を見ていた。
そこに、あるゲームが映っていた。
・・・とは言え、家庭用じゃない。

「場所はどこ?」
「動物園だよ」

当時、行楽と言えばもっぱら動物園だった。
時々、入場料が無料になることがあったからだ。

「大人になった気分だったな」

一言で言えば、車のゲームだ。
ハンドルを操作して、車の模型を動かす。

「単に舵を切ってるだけだったけどね」

車は固定されたままで、道路が動く。
つまり、変化する道路にあわせて、車を左右に動かすだけだ。

「男子は好きじゃない?こういうの」
「まぁな」

当時、ゲームと言えばこのようなものが主流だった。

「写真からでもそれが伝わるもん!」

写真の中の僕は、真剣そのものだった。
顔は映ってなくても、背中がそれを物語っている。

(No.691-2へ続く)

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