[No.689-2]宝箱
No.689-2
「ちょっと・・・」
「さっきの映画より面白い展開になってきたじゃん!」
地面から三分の一ほど、顔を覗かせている状態で発見した。
「最初は単なる木片かな?って思ってた」
でも、よく見ると金具が見えた。
それに、さびてはいたけど、なにやら装飾が施してあった。
「何だかドキドキしてきた」
「それで、好奇心も手伝って掘り起こしてみたの」
だからと言って、宝箱とは思って居なかった。
ただ、中身を知りたい衝動に駆られただけだった。
「・・・で、中身は?」
「聞きたい?」
「そりゃそうでしょ!ここまできて」
ベースが木だけに、あちこち腐って穴が開いていた。
それだけに嫌な予感はあった。
「ヘビが何匹か入ってたわ」
結局、それ以外、何も入ってはいなかった。
思わせぶりな箱も、よく見れば普通の木箱だった。
「今日の合コンでもそうならないようにね」
合コンを目の前に、何やら意味深な友人の一言だった。
(No.689完)
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