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[No.686-1]謝恩会

No.686-1

登場人物
男性=牽引役  女性=相手
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「謝恩会?」
「あぁ、高校の時、クラブの先輩を送り出す時に・・・」

自分が高二の時だった。
それに高三の先輩が、いわゆる“引退”する時期でもあった。

「一応、その名目で部員が集まったんだ」

先輩への感謝がなかったわけではない。
けど、どちらかと言うと、今で言う“飲み会”に近かった。

「もちろん、アルコールはなかったけど」

学校近くの喫茶店を貸し切った。

「へぇ~、すごいじゃん」

当時の喫茶店は、学生には敷居が高かった。
お金の問題以前に、大人な場所だったからだ。

「じゃ、そこで色々あった話をしてくれるのね?」
「それがさぁ・・・」

かなり、非日常な出来事だったわりにはほとんど記憶がない。

「お酒、飲んでなかったんだよね?」
「も、もちろんだよ!」

この言葉に嘘はない。
それは自分も含めて全員そうだった。

「舞い上がってたのかな・・・」

目いっぱいオシャレした記憶は大いに残っている。

(No.686-2へ続く)

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