[No.685-2]同じ匂い
No.685-2
「けど、俺は焼肉の匂いとかの方がいいけどな」
「もぉ!」
(やっぱり、男子に“花”の話をしても無駄か・・・)
まさしく“花より団子”かもしれない。
「仕方ないだろ?食べ盛りなんだし」
「それは否定しないけど・・・」
まぁ、ここまで話に付き合ってもらっただけでも良しとしよう。
「・・・あれ?」
「なんだよ?」
そう言えばどうして彼にそんな話をしたのだろう。
まだ、彼のことを良く知らない・・・それは彼も同じだろう。
「こんなに話したの、初めてだよね?」
同じクラスになって1年も経つのに、彼とまともに話した記憶がない。
「・・・だよな」
不思議と彼に話したくなった。
「やっぱり・・・花、好きじゃないよね?」
「えっ!いや・・・別に嫌いじゃないというか・・・好きかも」
さっきまでの悪態とは打って変わったような反応だった。
「それなら帰りに、見に行こうよ・・・一緒に」
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