[No.683-2]雪解け
No.683-2
「でも、彼もどうしたんだろうね?」
「返事を返すようになって」
良い方向へ向かう“心境の変化”があったと思いたい。
「ただ、まだ以前と同じレベルじゃない」
喧嘩する前は、返事をすぐに返してきてくれた。
「彼も仲直りしたいと思ってるんじゃない?」
「そうなのかな・・・」
言葉とは裏腹に、そう思いたい自分が居る。
「絶対、そうよ!ここまでこじれたら、言い出し難いじゃん」
「“ごめん”の一言が」
彼と喧嘩して半年が過ぎようとしていた。
「こじつけになるけど、そろそろ雪解けの季節でしょ?」
確かにこじつけだ。
けど、今の私たちの状態を、ピタリと言い当てている。
「喧嘩という冬の季節を終えて・・・ってこと?」
「あら、あなたも上手いこと言うじゃない!」
季節に呼応するかのように、返事も早くなってきた。
私たちの雪解けも、もうすぐかもしれない。
(No.683完)
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