[No.680-2]巣立ち
No.680-2
「僕の場合、休み時間に」
小学校が同じだった、隣のクラスの人と会っていた。
「なぜだか分かる?」
「・・・なんとなく、話の流れが見えてきたわ」
入学当初は、自分のクラスになかなか馴染めない。
それは、僕に限ったことじゃない。
他の人も休み時間になれば他のクラスの人に会いに行っていた。
「そう言えば、私もそのくちだったわ」
ただ、良い意味でそう長くは続かない。
「次第に、みんな自分のクラスで友達ができるんだよね」
それに、僕が会っていた人とは特別仲が良かったわけじゃない。
「向こうは向こうで・・・でしょ?」
「・・・だな」
お互い、利益が一致したんだと思う。
友達ができるまでの一時しのぎとして。
「けど、悪いことじゃない」
誰もが通る道であり、試練だと思っている。
「だから、彼らも・・・そうなのかな?って」
こうして彼らは入学したばかりなのに“巣立って”行くのだ。
(No.680完)
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