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[No.679-2]箱庭

No.679-2

「ここは、“妖精の街”って感じね!」

確かにその表現がしっくりくる。
妖精たちが、思い思いの街を作り上げている。

「色んな物を、集めて」
「競い合ってるのかもしれないね!」

本があったり、バケツがあったり・・・。
人間が捨てたものをどこかで、拾ってきたものだろう。
何となく・・・悪い気がしないでもない。

「まぁ・・・それでも、彼らは楽しそうじゃん!」

拾ってきている姿が目に浮かぶ。
みんな楽しそうだ。

「すごいよね、これ作った人・・・」
「そうね、色んなストーリーが詰まってる」

目を凝らせば、色んなところにストーリーが散りばめられている。
みんな思い思いに生きている。

「何時間みても飽きないよ」

実際、かなりの時間、ショーウィンドウの前に張り付いていた。

「癒されるよね」

もしかしたら大自然よりも、その効果が大きいのかもしれない。
ここでは全体を一望できるからだ。

「私も始めてみようかな・・・箱庭」

小さいながらもベランダがある。

「それなら・・・もう一度、夢と希望を詰め込んでみない?」
S679_3
(No.679完)
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