[No.679-1]箱庭
No.679-1
登場人物
女性=牽引役 女性=相手
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それは、箱庭と呼ぶのがためらわれる程の大きさだ。
「どれくらい?」
「・・・そうね」
スマホの写真と言葉だけでは伝わらない。
実際に目にしたスケール感を思い出す。
「幅は2メートルくらいで、高さは・・・それ以上かな?」
背の高い木も高さに入れるとそれくらいになる。
「結構な大きさよね?」
「うん、それが5つくらい展示してあったかな?」
話を戻せばそれはデパートのショーウィンドウの中にあった。
そのスペースを生かして、“小さな庭”が再現されていた。
「それぞれ、個性的でさぁ・・・」
リアルな庭ではなく、幻想的で何とも楽しげな庭だ。
「・・・この、白いのはなに?」
「あっ!これね」
色こそ違えども、雰囲気はカエルだ。
ただ、人間ぽく作ってある。
「私は、カエルの妖精だと思ってる」
「そう言われてみれば・・・」
この幻想的なスペースにこれ以上ないほどマッチしている。
「ほら、これなんか・・・」
「なにを話してるんだろうね!」
絶妙な表情と仕草がなんとも印象的だ。
どう見ても、楽しげに会話をしているとしか見えない。
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